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(浜松5)
浜名湖の思い出は、多い。
若いころは、夏になると、タキヤ漁によく出かけた。船の上から、強いライトをあて、海の底にいる、かにやエビ、魚などを、大きなモリでつくという遊びである。
当時は、よくとれた。一晩で、カニを、バケツに、5〜6杯は取った。それに40〜50センチもある、コチやウナギなども。
そのうちこのタキヤ漁も観光化され、とたん、漁獲量が減った。当時とくらべると、今のタキヤ漁は、子どもの遊びのようなもの。「漁」という名前が恥ずかしいほど。
しかし一度、その浜名湖で事故を起こしかけたことがあってからは、その浜名湖からは、遠ざかった。以後、10年近く、浜名湖の近くへすら、行ったことがない。最近になって、ときどき、ワイフと弁当をもって、その弁当を食べにいくようになった。しかしそれでも、あのときの事故を、忘れたわけではない。
が、美しい。いつ行っても美しい。それは事実。それが浜名湖。
浜松が好きな理由の一つに、この浜名湖がある。
名古屋の方向から浜松へ近づき、三ケ日インターチェンジを過ぎたとたん、青い、どこまでも青い浜名湖が、目の前にパッと広がる。輝く。とたん、言いようのない解放感を覚える。そしてこう心の中で、叫ぶ。
「浜松だ!」と。
(05・01・15記)
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